離婚したい、あるいは、離婚した方がいいのかどうか自分では決められない。そんな時こそ、誰かに相談したいですよね。

ですが、親しい人にこそしづらいなど、離婚相談の相手選びに頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。

ひと口に離婚したいと言っても、置かれている状況は千差万別。

漠然と離婚したいと考えている人、本当は夫婦関係の修復を願っている人、すでに離婚を決意していて後は実行するだけという状況の人。

それぞれに合った相談先は異なる、ということは想像に難くないですよね。

そこで今回は状況ごとに最適な相談先はどこなのかについて紹介していきますので、誰に相談するか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。

身内に離婚相談するのはアリ?ナシ?

離婚について悩んでいる時、人生の先輩である親を始め、あなたの話を親身になって聞いてくれそうな兄弟姉妹、親戚などの身内にまずは相談してみようかなと考える人は少なくないでしょう。

しかし、身内に相談することはメリットもありますが、実はデメリットもあるもの。

それぞれもう少し詳しく見ていきましょう。

身内に離婚相談をするメリット

相談しようとしている身内との関係性にもよりますが、やはり身内だからこそ悩みを話しやすいという点はメリットだといえるでしょう。

また、身内であれば予約などが必要ないため会いやすいですし、お金もかからないので気軽に相談できるというのもポイントです。

そして、あなたと親しいからこそ、あなたの性格などを考慮してアドバイスをしてくれる可能性も高いでしょう。

しかしこうしたメリットが、実はデメリットと表裏一体となっているのです。

身内に離婚相談をするデメリット

特に離婚問題に詳しい弁護士がいるようなケースを除き、身内に相談しても法律面でのアドバイスは期待できない、というのは最大のデメリットと言えます。

また、どれだけ普段の関係性が良好でも、自分の身内となれば、悪くは言いたくないですし庇いたくなるもの。

ですから、たとえば配偶者の親や身内に相談した場合、パートナーに問題があるケースでもあなたが悪い、と責められることもめずらしくないのです。

それは、あなたが自分の身内に相談した場合も同様。あなたに非があるケースでも、きっと親身になって、あなたの味方としてアドバイスしてくれることでしょう。

つまり、親・身内への離婚相談はどちらかの立場に偏ったアドバイスとなってしまいがちで、第三者の冷静な判断は期待できないのです。

最悪の場合泥沼化してしまうことも

あなたとしてはまだ離婚するかしないか決めかねている状態であったとしても、身内に話してしまったことで周囲が勝手に話を進めてしまうケースは実は少なくはありません。

まだ夫婦関係を修復して結婚生活を続ける余地もあったはずなのに、両家共に互いの身内を守りたいがための争いに発展し、離婚せざるを得なくなってしまうこともあるのです。

反対に、離婚を阻止されるケースもあります。

それは、あなたと配偶者との結婚によってどちらかの親や身内が何らかの利益を得ていたり、離婚なんて外聞・世間体に関わると考えるタイプである場合。

DVやモラハラ、反省するそぶりを見せず浮気を繰り返したりといった今すぐ離婚すべき深刻な状況にあっても、結婚生活を続けさせようと圧力をかけてくるでしょう。

このようなデメリットが考えられるからこそ、実は親などの身内に離婚について切り出すのは、離婚が決定事項となり、ある程度目処も立ってからの方が良いのです。

離婚するか迷っているときには誰に相談した方がいい?

まだ離婚の意志が固まっていない状態で相談するとしたら、あなたに肩入れしすぎず、第三者として冷静にアドバイスしてくれる相手を探したいところです。

そう考えると、やはり離婚問題に詳しい専門家に相談に乗ってもらう方が良いでしょう。

守秘義務もありますからあなたの悩みを親しい人に知られてしまうリスクもないですし、状況に応じて手助けもしてくれる、心強い味方となってくれるはずです。

この項目では有力な専門家を紹介していきます。

離婚カウンセラー

離婚について迷っている、もしくは離婚に気持ちが傾いているけれど、どう動いたらいいのか自分ではわからない。

あるいは、離婚も視野に入れているけれど、夫婦関係の修復を諦めているわけではない。

そんなときに相談する相手として、離婚カウンセラーがオススメです。

カウンセラーですからあなたの思いに寄り添いつつ、専門家として客観的な視点を取り入れ、気持ちの整理を手助けしてくれることでしょう。

ただし、離婚するか否かを最終的に決めるのはあくまでも当事者であるあなた自身。離婚カウンセラーは最終的な判断まで下してくれるわけではありません。

また、法律の専門家ではないため、離婚手続きに感する相談・代行業務はできません。

ですが、最近では法律その他の専門機関と連携を取っている離婚カウンセラーも増えています。

離婚に向けて気持ちの整理がついたときに必要な期間に繋ぐというサポートはしてもらえるかもしれません。

最後に、離婚カウンセラーへの相談は多少費用がかかることがあります。お近くのカウンセラーがいくらくらいで相談に乗ってくれるのか調べてから行くといいでしょう。

家庭裁判所にある家事相談室

各自治体の家庭裁判所には、家事相談室と呼ばれる期間があります。ここでは離婚の手続きの種類や手順、必要書類の記入方法、その際にかかる費用などの詳細を教えてもらうことができます。

しかも無料で利用できるという点もメリットといえるでしょう。
また、配偶者との協議だけでは済まず、離婚に際して調停や裁判に発展する可能性が高いケースで弁護士費用の工面が心配な場合、どうしたら良いかについてアドバイスをもらうこともできます。

ただし、たとえば浮気などの慰謝料や親権・養育費についてなど、あなたと配偶者が置かれている状況に応じた詳細な法律相談を行なうことはできません。
離婚を決意し、これからの動きやその際に必要な手続き・書類など全体の流れを把握したい時に利用する、というスタンスで訪れると良いでしょう。

配偶者から浮気やDVなどなんらかの被害に遭っている時には誰に相談したらいい?

浮気・不倫をされていたり、肉体的・精神的・経済的DVやモラハラを受けているなど、配偶者から何らかの被害を受けている場合、早急に行動する必要があると言えるでしょう。

ここからはケース別に、最適な相談先を紹介していきたいと思います。

配偶者の浮気や不倫が原因となっているケースでの相談先は?

浮気や不倫を察知したとしても、証拠が揃っていないと慰謝料をもらうなど離婚を有利に進めることはできません。

証拠集めを自分自身の手で行なえればいいのかもしれませんが、小さいお子さんがいるなどのさまざまな事情から、なかなか自由に動けないという人もいることでしょう。

このようなケースでは、裁判でも通用する証拠を揃えるプロでもある探偵事務所・調査会社に相談すると良いでしょう。きっとあなたの力になってくれるはずです。

ただし、探偵事務所や調査会社に証拠集めを正式に依頼する場合、数十万円〜百万円超の費用がかかってしまいます。

また、探偵業を営むにあたって届け出の提出等はありますが、探偵と認められるための国家資格があるわけではありません。

なので、離婚の決意が固く、慰謝料をもらうために絶対に証拠集めが必要だとなった段階で利用するようにしましょう。

なお、探偵事務所や調査会社の能力には差があり、中には悪徳な業者が紛れていることも少なくありません。

弁護士や離婚カウンセラーなどの信頼できる人からの紹介を受けて利用することで、騙されることを回避することができるかもしれません。必要に応じて、信頼できる人に心当たりがないか聞いてみると良いかもしれません。

配偶者のDVやモラハラが原因となっているケースでの相談先は?

肉体的な暴力を受けている場合、まずは可能な限り撮影日がわかるような状態で、傷が残った部分の写真を撮っておきましょう。

また、併せて病院へ行き、診断書を出してもらうことをオススメします。

こうした写真や診断書などはDVの動かぬ証拠となるため、離婚を進める上で必ずあなたを助けてくれるからです。

その上で、人格否定や侮辱といった言葉の暴力・モラルハラスメント、生活費を渡してくれないなど経済的なDVと合わせて、状況に応じて以下の機関に相談してください。

配偶者暴力相談支援センター

配偶者からの暴力の防止、被害者の保護などのために自治体で開設されている相談機関です。

主に各自治体の婦人相談所、女性センターや福祉事務所などに置かれていますので、まずは住んでいる地域の役所に問い合わせ、訪ねてみましょう。

福祉事務所

社会福祉法第14条に基づいて設置されている福祉事務所は、経済的・精神的な問題に対する相談だけではなく、公的福祉を必要とするケースでの支援も行なってくれます。

DVなどに悩んで離婚したいと考えていても、離婚後の生活の心配、避難場所や居住できる場所を確保できそうにないといったことで悩んでいる方は、まず福祉事務所に相談に行ってみてください。

警察

命の危険を感じるほどの暴力を受けている、死んでやるなどと配偶者が暴れているといったケースでは、速やかに110番通報するか、近くの交番に駆け込んでください。

警察への相談は、配偶者の行為が犯罪に当たる場合は逮捕するなど、強制力を持って対応してくれる点が他の相談先にはない最大のメリット。

緊急ではない場合は9110番に相談し、適切な相談機関への紹介や加害者への警告など、状況に応じた助言や指導などの対応もらうこともできます。

また、警察への通報記録は身の安全の確保と併せて、離婚を進める上での立派な証拠にもなります。迷わず相談するようにしましょう。

弁護士

DV被害に関して写真や診断書などの証拠が揃っていれば、弁護士に相談するのもひとつの手。

DV防止法に則って加害者であるパートナーがあなたに近づけないようにするための保護命令の手続きに関して相談もできます。

また、特にDVを行なう配偶者の場合、離婚交渉がスムーズに行かないことが予想されます。その点、弁護士に相談することであなた自身が直接相手と対峙することなく交渉を進めることができるのも大きなメリットと言えるでしょう。

離婚について弁護士に相談した方がいいのはどんな時?

財産分与や慰謝料、お子さんがいる場合は親権や養育費、面会交流についてなど、離婚する際には決めておかなければならないことがたくさんあります。

そして自分自身で離婚を進めてしまうと、特に金銭的な条件に関して後悔することが多いとも言われています。

また、そもそも相手に離婚の意志を伝えても全く取り合ってもらえず、話が進まないということもあります。

すでに離婚の意志が固いなら、ぜひ一度弁護士に相談してみましょう。

あなたの状況に応じて、どんな条件で交渉できるのか、あなたが準備しておくべき事柄などのアドバイスを得られますし、弁護士を通すことで停滞していた交渉が進むようになることでしょう。

なお、弁護士に依頼するにあたって、費用面が心配だという人は少なくないかと思います。

こちらについては、初回は無料相談の枠を設けている弁護士事務所や、自治体によっては無料法律相談を受け付けているところもあるので、利用してみてもいいでしょう。

また、法テラスを利用すれば、収入条件などをクリアすると弁護士費用の立て替え制度を利用することも可能となります。

経済的に不安がある場合は、利用することを考えてみても良いでしょう。

まとめ

離婚について悩んでいる方は、まずはひとりで抱え込まず、誰かに相談しましょう。

その際、やはりあなたの状況に即した対応をしてもらえる専門家を頼るのがベストと言えます。

今回の記事を参考に、まずは解決に向けた一歩を歩み始めましょう。